独特のブランディングしている日本企業に無印良品があります。
無印良品はブランド名で会社の名前は良品計画です。
この会社の創業には西武デパートやパルコで一時流通業界のカリスマであった堤清二氏がかかわっています。
無印良品は当時の大量消費社会への疑問から生まれました。
そのコンセプトの作成には当時の先端の知識人・デザイナーが参加しています。
全体のデザイン・ディレクションを行なったのが、グラフィックデザイナーの田中一光です。
商品開発・包装・陳列方法・店舗デザイン・宣伝方法の全てにおいて、これまで日本ではなかった手法が実験されました。
この考え方はのちにアップルが行なった一連の製造・販売の方法と似たところがあります。
アップルが再生を図る20年くらい前にこれだけ独創的なアイデアを実践したのは驚くべきことです。
ただし当時の消費者がその先進性を理解できなかったのか、企業側の戦略が不十分だったのかはわかりませんが、創業当初はそれほど大きな成果はあげられませんでした。
しかしこのところ消費者の考え方が変わり、無印良品の企業理念に賛同する消費者も増えたためか、業績は好調に伸びています。
先ほどアップルと比較しましたが、両者にはたしかに共通点があります。
まず一つ目は両社ともに自分で製造工場を持ちません。
両社ともに製造は外部委託しています。
無印良品ではデザイナーも社外デザイナーを使っています。
その中には世界的なプロダクトデザイナーもいるようですが、名前はだしません。
有名なデザイナー頼んだわけですから、名前を出したほうが商品の売れ行きはアップするかもしれないのに、あえて出さないのです。
それから製品のデザインが基本的にシンプルです。
両社の製品には、余計な装飾などがありません。
それから販売するのは自社店舗だけです。
さらに店舗デザインもシンプルで商品だけに消費者の目が向かうような計画になっています。
だいぶ前にイタリアのファッション・デザイナー ジョルジョ・アルマーニが来日した際に、無印良品の店舗に寄って、たいへん関心を示しました。
高級ブランドとは対極にある無印良品の店舗に、他の店とは異質な何かを直感的に感じ取ったに違いありません。
感覚の鋭敏な人に理解される質の高い店舗計画をしているという証拠です。
無印良品は日本企業のなかで以上のような独自のブランディングを行い、成功をおさめつつあります。
このような独創的な企業がもっと出てくることを切に希望しています。